アオコが発生するには、幾つかの要因があり、そのうちの一つを絶てばアオコの発生を絶つことが出来るので、現地の状況に応じた条件を如何に選択するかが課題になってくる。
@藻類発生の要因
アオコなどの藻類の発生は、水の富栄養化により生じる。
この富栄養化の原因である藻類の繁殖に、必要な栄養として良く知られているのは窒素、リンである。藻類が利用できるのはリンとしては、オルリン酸(PO
4-P)であり、窒素としてはアンモニア性窒素(NH 4-N)と硝酸性窒素(NO 3-N)である。
このうちリンは合成洗剤に多く含まれており、窒素は家庭の下水や工場排水など、特に屎尿を含む排水に多い。従って、これらの排水が多量に湖や沼に流入すると、植物性プランクトンである藻類が異常に発生することになる。
ところが、窒素やリンが増えただけでは、藻類の異常な繁殖は起こらない。
この他に鉄やマンガンが必要であるが、これらは、水底が無酸素状態になる夏期に、底泥から水中に溶けだしてくる。更にブリンやピリミジン、あるいはグルタミン酸のような蛋白質の分解したものも必要であり、これらは屎尿などにも含まれており、工場排水にも含まれている。
藻類の種類のよっては、ビオチン(ビタミンB 複合体の一つ)やチアミンなどの微量栄養素が必要な場合もある。これに水温が23度ぐらいになると、わずか数日のうちに藻類が繁殖することになる。
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A藻類繁殖の制御
湖水等で藻類の繁殖を制御しているのは、リンの量である。そこで湖水等のリン量を測定してみると、藻類の栄養になりうるオルトリン酸(PO
4-P)は意外に少ない。ところが、この3〜10倍近くの量の有酸リン化合物が水中にある。
藻類はまず、水中のオルトリン酸を栄養として吸収するが、これを使いきってしまうと、もうそれ以上は繁殖できない。しかし、うまいことに藻類がホスファターゼという酵素を体外に出して、水に溶けている有機リン化合物を分解してオルトリン酸にし、これを再び栄養として利用しているのである。
池などのリン類の量は、測定してみると、意外に少ないことが多く、いずれからか補給される。池に繁殖した藻類は冬になると死んで水底に堆積する。すると泥中に住んでいる細菌やカビなどの微生物が、藻類の死骸を分解して無機物に変える。このときオルトリン酸ができ、これらが水中に溶け出す。翌年の春にはこのリンを餌にして藻類が増えることになる。従って、この悪循環を断ち切るには、水底に溜まったヘドロを取り除くか、溶出を起こさないようにしなくてはならない。
B藻類の光合成
水中に30センチの白色の円板を沈め、それが見えなくなる深さを透明度というが、その2倍の深さの所まで光合成が行われている。それと池の表面の照度を測定することによって、一日1立方メートル当たりに生産されるブドウ糖の量が求められる。当然、この結果は藻類の生産量に比例することになる。
C湖沼などにおける食物連鎖
水中における食物連鎖は図ー2のように行われている。従って、動物性プランクトンによる
捕食を考慮するとアオコの削除が可能であり、ダム湖などでは、実験的に動物性プランクトンを増殖している例もある。
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Dアオコの発生と溶存酸素の垂直分布
植物性プランクトンは、体内で酸素を生産し体外に放出するので、表層の溶存酸素量は、過飽和状態になることがある。しかし、実質的にはアオコの発生と同時に動物性プランクトンが発生して酸素を消費するので酸素の欠乏状態が生じることもある。
水底近くには、光合成が生じないために酸素の補給が無く、無酸素状況になることが多い。
このため水底では、嫌気性バクテリアによる分解が活発になる。その結果は臭気などの問題が生じる。
以上の考察からアオコ等の植物性プランクトンを発生させない条件として、
@光合成を起こさせない。
A水温を下げる。
Bリン類などの栄養源を出さない。
C捕食させる。
などの条件が考えられる。
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